産業カウンセリング入門 ※絶版
※画像提供:日本文化科学社 |
杉渓一言 中澤次郎 松原達哉 楡木満生 編
発行元 日本文化科学社
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サイズ A5判326頁
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概要
産業カウンセラー試験に最適な参考書として十余年にわたって刊行されてきた『産業カウンセリング入門』が、このたび資格認定制度の改変、職場のメンタルヘルスの社会問題化、キャリア・カウンセリングへの注目の高まりなどといった大きな時代の変化に応え、改訂されることになった。基礎的な知識だけでなく、事例集やQ&A、付録の章も充実させ、現代の産業カウンセラーにふさわしい書籍となった。
(ご注意:日本産業カウンセラー協会編集『産業カウンセラー養成講座テキスト 産業カウンセリング入門』とは違う書籍です。産業カウンセラー協会のテキストは、書店では購入できません。日本産業カウンセラー協会のWebページをご利用ください。)
目次
まえがき
刊行によせて
改訂版 まえがき
第I章 産業カウンセリングとは何か
1. 現代社会とカウンセリング
1)現代の社会病理とカウンセリング
2)産業社会の変貌と産業カウンセリング
2. 産業カウンセリングの発達
1)カウンセリングの起源
2)アメリカにおける産業カウンセリングの発展
3)ホーソン研究と産業カウンセリング
4)わが国における産業カウンセリングの発達
3. 産業カウンセリングの現状
1)産業カウンセリングの実態調査
2)産業カウンセリングの現状
4. 産業カウンセリングの課題と展望
1)産業カウンセリングの問題点
2)産業カウンセラーへの期待
第II章 産業カウンセラーの倫理
1. 産業カウンセラーとは
1)カウンセリング行為と産業カウンセラー
2)産業カウンセラーとクライエント
3)産業カウンセラーと現代社会
4)専門職としての倫理
2. 産業カウンセラーの倫理の必要性と明確化
1)クライエントを守り、産業カウンセラーを守る
2)資格の明確化
3)「産業カウンセラー」
4)できること、できないことの明確化
5)責任の明確化
3. 産業カウンセラーの倫理の基本領域
1)基本的な立場
2)守秘義務とその限界
3)カウンセリングは相談室内で行う
4)適切な報酬
5)誇大な宣伝や広告に自分の写真を掲載することの禁止
6)クライエントを研究材料にしない
7)心理査定・心理検査の技能に習熟しておくこと
8)虐待は人権問題であるので慎重に報告し、協力して解決する
9)配偶者からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)と倫理
10)長時間・長期間のカウンセリングは行わないこと
11)研修の継続
12)カウンセリング面接記録保管の義務
13)自分のスーパーバイザーをもつこと
4. 秘密保持
1)インフォームド・コンセント(Informed consent)
2)秘密保持が必要な場合
5. カウンセリングの危険な行動・状況
6. クライエントとの多重関係の問題
1)クライエントとの性的関係の禁止
2)さまざまな多重関係
3)高額な贈り物
4)社会人としての付き合い
7. 産業カウンセラーに対する罰則
第III章 産業カウンセラーの役割と資格
1. 産業カウンセラーの役割
1)成果主義やリストラの導入による職場不適応への対応
2)職場の管理者との連絡
3)産業カウンセリングの広報活動
4)管理者訓練への参加
5)関連部門との協議
2. 産業カウンセラーの試験と資格
1)産業カウンセラー試験
2)シニア産業カウンセラー試験
3)キャリア・コンサルタント試験
3. アメリカにおける従業員援助制度
1)従業員援助制度およびその発展の歴史
2)従業員援助制度の特色
3)産業カウンセリングの普及
4)日本とアメリカの産業カウンセリング
第IV章 産業カウンセリングの理論
1. 諸理論の展開とその活用
2. 産業カウンセリングで用いられる主な理論
1)認知行動療法
2)来談者中心療法
3)ゲシュタルト療法
4)論理情動性行動療法(REBT)
5)交流分析
6)家族療法
7)フォーカシング
8)エンカウンター・グループ
3. その他の諸理論
1)サイコドラマ
2)森田療法
3)内観療法
4)コミュニティ・アプローチ
第V章 産業カウンセリングの過程と技法
1. 産業カウンセリング面接の特徴(面接時のカウンセラーの尊敬と配慮)
1)カウンセリング面接とパワー面接
2)信頼関係を得ることの必要性
3)信頼関係の確立はカウンセリング・ルームの雰囲気から
4)カウンセラーの温かにもてなす態度の表明
2. 産業カウンセリング面接プロセスに用いられている技法
1)あいさつ段階とその対応法
2)問題把握の段階の技法
3)目標設定の段階とその技法
4)心理的介入の段階とその技法
3. 産業カウンセリング面接への認知行動療法のパッケージ利用法と自律訓練法
第VI章 パーソナリティの形成と変容
1. パーソナリティの個人的成長と発達課題
1)気質、性格、パーソナリティの個人的成長と発達課題
2)気質、性格、パーソナリティの歴史的発展
2. 職場不適応とパーソナリティとの関係
1)職場不適応の生成
2)フリーター、ニートのパーソナリティ
3. カウンセラーのパーソナリティと援助効果
1)共感性
2)謙虚さ
3)尊敬
4. パーソナリティの変容とカウンセリングの教育的機能の重視
1)カウンセリングの心理療法的機能の重視
2)健康な社員に対する、カウンセラーによる社員教育の重要性
3)社員の創造性の開発
第VII章 心理検査の活用
1. 産業カウンセリングにおける心理検査の必要性
1)産業カウンセリングと心理検査
2)よい心理検査の条件
3)よい心理検査の選び方
4)心理検査利用上の留意点
5)心理検査の効用
6)心理検査の限界
2. 心理検査の種類と方法
1)心理検査の種類
2)知能検査
3)性格検査
4)職業興味検査と職業適性検査
5)一般職業適性検査(GATB)
6)新版・職業レディネス検査(VRT)
7)CAREER FOCUS(キャリア・フォーカス)
8)職業興味検査(VPI)
9)キャリア支援ツールSDS
3. 心理検査の活用法
1)心理検査についての考え方
2)心理検査実施時の心得
3)心理検査の実施方法
4)採用時の面接試験の資料として
5)メンタルヘルス教育などで
6)自己理解訓練、人間関係訓練
7)産業医との連携
8)定期的な経過把握
第VIII章 職場のストレスとメンタルヘルス
1. 職場のメンタルヘルスとは何か
1)変わってきた職場環境
2)メンタルヘルスは本人の問題であるとともに職場の問題でもある
2. 職場のメンタルヘルスのケアシステム
1)THPの担当者
2)メンタルヘルスケア活動の実際
3)精神衛生、精神保健、メンタルヘルスなどの用語の変遷
3. 職場環境状態とうつ病との関係
1)抑うつ状態、うつ病、躁うつ病の概念上の区別
2)躁うつ病概念の歴史的変遷
3)職場における過労とうつ病
4)職場にいるあらゆる人たちに、メンタルヘルス教育を実施する
4. ストレス理論と心身症
1)ストレスとは何か
2)ストレッサー
3)心理的刺激による身体的心理的反応
5. 精神的疾患分類の変遷
1)精神病の分類の変遷
2)神経症性障害の変遷
3)境界例からパーソナリティ障害へ
6. その他の職場不適応の分類とその対応法
1)出社拒否症
2)アルコール依存
3)タイプA行動パターン
4)テクノストレス症候群
5)失感情症
7. 職場のメンタルヘルス対策の充実を図る
1)働きやすい職場をつくる
2)自分でストレス対処法を身につける
第IX章 キャリア・ガイダンス、カウンセリング、コンサルティング
1. 定義
1)キャリア
2)キャリア・ガイダンス
3)キャリア・カウンセリング
4)キャリア・コンサルティング
2. キャリア・ガイダンスの基礎理論
1)職業選択理論
2)構造理論
3)職業発達理論
4)組織心理学的理論
3. キャリア・カウンセリングの基礎理論
1)いろいろなカウンセリング
2)キャリア・カウンセリングの特徴
3)特性・因子カウンセリング
4. キャリア・ガイダンスとカウンセリングの実際
1)システィマティック・アプローチ
2)自己理解とテスト
3)情報の提供と職業情報
5. 職場におけるキャリア形成支援とキャリア・コンサルティング
1)事業主が行うキャリア形成支援
2)キャリア・コンサルティングに必要な能力
3)個人と組織への貢献
第X章 人事・労務管理と産業カウンセリング
1. 人事・労務管理とカウンセリング
1)人事・労務管理の概要と動向
2)人事・労務管理におけるカウンセリングの適用
2. 労働法の基礎知識
1)産業カウンセリングと労働法
2)労働基準法と就業規則
3)労働安全衛生法とTHP(トータル・ヘルス・プロモーションプラン)
4)職業能力の開発と職業キャリア支援施策
5)労使関係と労働協約
6)今後の課題
3. 企業内教育とカウンセリングマインド
1)企業とのかかわりのなかで
2)企業がカウンセラーに求めるもの
3)今後の企業内教育が目指す方向
第XI章 産業カウンセリングの相談室
1. 企業内相談室
1)相談室の必要性
2)相談室の組織
3)相談室の運営
4)相談室の施設と設備
2. EAPの相談室
1)相談室の必要性
2)相談室の組織
3)相談室の施設と設備
4)相談室の運営の仕方
5)秘密保持および情報開示のステップ
6)カウンセラーの倫理規定
7)カウンセリングの書式
8)スタッフ・スーパービジョン
9)プロバイダー管理
第XII章 危機とクライシス・カウンセリング
1. 危機
2. クライシス・カウンセリング
1)クライシス・カウンセリングの機能
2)クライシス・カウンセリングの実際
第XIII章 産業カウンセリングの事例
1. 職場環境の変化に伴い抑うつ状態となり自殺企図をしたクライエントへの認知療法の適用
2. パニック障害の危機介入に論理情動療法を用いた事例
3. 管理職になったが上司との関係が悪い
4. 会社を興したが人を管理するのに向いていない
5. 仕事についていけないとキャリア形成で悩む女性
6. プロジェクトの失敗と過労からうつ病になったシステム・エンジニア
第XIV章 産業カウンセリングQ&A
Q・1 定年後の人生を産業カウンセラーとして役立てたいのですが、どのような勉強が必要でしょうか。
Q・2 産業カウンセラーの資格取得には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
Q・3 産業カウンセラーは企業内でどのように位置づけられているのでしょうか。
Q・4 産業カウンセラーとケースワーカー、臨床心理士、ナースの連携をどう進めればよいのでしょうか(違いも)。
Q・5 社内で相談室を開設するにはどのような点に留意したらよいのでしょうか。
Q・6 産業カウンセラーと地域ネットワークが必要だといわれていますが、どのようにすればよいのでしょうか。
Q・7 学校カウンセラーと産業カウンセラーの仕事の違いについて教えてください。
Q・8 産業カウンセラーの資質について教えてください。
Q・9 危機的状態にある来談者に対して、どのように援助したらよいのでしょうか。
Q・10 スーパービジョンを受けたいのですがどのようにしたらよいのでしょうか。
Q・11 スーパーバイザーになりたいのですがどのようにしたらよいのでしょうか。
付録
付1. 産業カウンセリング主要機関
付2. 全国の精神保健センター
付3. いのちの電話
付4. 産業カウンセリングに関係のあるおもな学会・協会・団体一覧
引用・参考文献
人名索引
事項索引
関連カテゴリ 心理