軽度発達障害の教育 -LD・ADHD・高機能PDD等への特別支援- ※絶版
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上野一彦 花熊曉 編
発行元 日本文化科学社
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サイズ A5判 192頁 |
概要
軽度発達障害の特別支援教育を展開していくためのモデルテキスト!
特別支援教育、コーディネーター、LD、ADHD、軽度発達障害など、新しい言葉・概念が教育界に到来しました。それは、すべての児童生徒のための人間尊重の教育モデル・教育システムの構築をめざすものです。本書は、その特別支援教育を小・中学校で展開していくための「基礎と基本」を伝えるもので、通常学級担任の教師にも好適です。大学テキスト用として、各章80~90分での授業を想定。図表を多用し、具体的に分かりやすく、必要な知識を解説します。
目次
はじめに
part1 理解編
1.歴史を知ろう―特別支援教育と軽度発達障害―
1 わが国における「特殊教育」が果たしてきた役割と限界
1)近代教育における特殊教育のはじまり
2)戦後の義務教育と特殊教育のあゆみ
3)わが国の特殊教育の現状と課題
2 特殊教育から特別支援教育への転換
1)特別支援教育とは何か
2)LD・ADHD等は通常の学級にどのくらいいるのか
3)これからの特別支援教育がめざすもの
4)個別の指導計画と個別の教育支援計画
2.軽度発達障害のある子どもたちとは
―LD・ADHD・高機能自閉症―
1 軽度発達障害とは何か
1)軽度発達障害という用語について
2)軽度発達障害は必ずしも軽度ではない
2 LD・ADHD・高機能自閉症などの定義と理解
1)LD(学習障害)
2)ADHD(注意欠陥多動性障害)
3)高機能自閉症・アスペルガー症候群
3.学校における理解と支援のしくみ
1 特別支援教育のシステム
1)今、学校に求められていること
2)小・中学校における特別支援教育の体制づくり
2 学校における支援のしくみ
1)つまずきの実態把握とアセスメント
2)個別の指導計画の作成
3)校内連携と校内支援体制づくり
4)学校における支援のしくみのまとめ
3 個別の教育支援計画と地域支援ネットワークづくり
4.子どもの特性を理解する
―心理検査の利用と活かし方―
1 心理教育アセスメントの概要
1)はじめに
2)心理教育アセスメントの概要
2 心理検査の意義と活用
1)心理検査の意義
2)心理検査を利用する際の心得
3)テストバッテリー
3 アセスメントから個別の指導計画へ
1)個別の指導計画とは
2)個別の指導計画の作成の流れ
3)個別の指導計画の作成
part2 指導編
5.学習に困難のある子どもの指導
―そのメカニズムと指導の原理―
1 学習の困難とは―困難の原因を多角的に探る―
1)学習の困難に気づくきっかけ
2)学習困難の原因とは―内的要因と外的要因―
2 効果的な学習指導とは―すべての子どもに通じる支援へ―
1)学習指導の原理
2)通常の学級での指導・支援・配慮
3)個別的な支援―より特化した専門的な指導・支援として―
6.「聞く・話す」に困難のある子どもの指導
1 「聞く・話す」ことの困難―実態と原因―
1)「聞く・話す」ことに困難を抱える子どもたち
2)「聞く・話す」ことのメカニズム
3)「聞く・話す」ことの困難の背景
2 「聞く・話す」に困難のある子どもたちのさまざまな場面で
のコミュニケーション
1)家庭でのコミュニケーション
2)教室でのコミュニケーション
3 「聞く・話す」ことのアセスメント(実態把握)
1)行動観察による評価
2)テストによる評価
4 「聞く・話す」に困難のある子どもへの指導
1)通常の学級での配慮指導
2)通級指導教室/特別支援教室での個別指導
7.「読み・書き」に困難のある子どもの指導
1 日本語の読み書き困難
2 読み書き困難の背景
1)認知神経心理学からのアプローチ
2)音韻ルートと意味ルート
3)読み書きに関するレキシコン
3 情報処理の偏りと読み書き困難
1)聴覚入力処理
2)音韻処理
3)聴覚記憶
4)視覚入力処理
5)視覚記憶
6)視覚と運動の協応
7)注意
8)メタ認知
4 かな文字と漢字の読み書き支援
1)音韻意識と聴覚記憶に困難を示した事例S君
2)視覚入力処理と視覚記憶に困難を示した事例Yさん
3)視覚記憶と聴覚記憶ともに困難を示した事例K君
5 読解力と作文力の支援
1)読解力
2)作文力
6 通常学級と特別支援教室での指導
8.「計算・推論」に困難のある子どもの指導
1 「計算・推論」の困難とは
2 算数学習の認知的基礎としての数量概念の獲得
1)乳児の能力
2)数概念の獲得
3 計算の手続きにおけるつまずきと指導
4 算数文章題の構造と教材
5 対象児への支援法―通常学級と相談室の連携の成功例から―
1)学習におけるつまずきと認知的特性の関係の把握
2)教育相談室での対応の方針
3)通常学級での配慮事項
4)支援の経過
9.行動のコントロールに困難のある子どもの指導
―行動分析の教室での適用に向けて―
1 行動分析の基礎
1)行動分析の有用性と難しさ
2)行動分析の「イロハ」と行動の役割(機能)の概念
2 行動分析の基本から導かれる取り組み
1)「どうなった(後続刺激)」へのアプローチ
2)「どんなとき(先行刺激)」へのアプローチ
3)「何をして(行動)」へのアプローチ
3 行動分析の実際と有効にする鍵
1)行動分析に基づく取り組みに必要な情報
2)どの方法を選べばよいのか
10.社会性に困難がある子どもの指導
―ソーシャルスキル・トレーニング―
1 軽度発達障害と社会性の困難―教室の中でのつまずき―
1)LDの子どもの社会性の困難
2)ADHDの子どもの社会性の困難
3)高機能PDDの子どもの社会性の困難―対人意識、こだわりなどが生む社会性のつまずき―
2 社会性のつまずきへの対応
1)ソーシャルスキル・トレーニングとは
2)軽度発達障害へのSST
3)SSTの実際
11.対人関係に困難のある子どもの指導
―高機能PDDへの指導を中心に―
1 広汎性発達障害の対人関係の困難
1)軽度発達障害の対人関係の困難
2)乳幼児期の対人関係
3)児童期、青年期の対人関係
2 社会的認知の障害
1)心の理論の障害
2)感情認知の障害
3)コミュニケーション障害
3 PDDへの支援方法
1)ルールを明確にする
2)視覚化する
3)手順を示す
4)見通しをもたせる
5)具体的に評価する
6)環境を構造化する
7)「いじめ」や「からかい」から守る
4 PDDへのソーシャルスキル・トレーニング
1)ソーシャルスキルの指導
2)高機能PDDへのSST
3)高機能PDDへの心の理論の指導
12.教育と医学・医療
1 脳の構造と機能
1)神経系とは
2)大脳の働き
2 軽度発達障害の医学的評価
1)医学的評価とは
2)医学的評価の方法
3)医学的検査の意義
3 軽度発達障害の成因
1)原因疾患・背景疾患
2)遺伝
4 軽度発達障害の頻度・性差
1)頻度
2)性差
5 軽度発達障害の症状
1)医療における症状のとらえ方
2)軽度発達障害の合併症・併存症
6 軽度発達障害の身体所見・検査所見
7 軽度発達障害への医学的対応
1)医学的対応の概要
2)薬物療法
8 教育と医学・医療の連携
1)連携とは
2)教育と医療のよりよい連携のために
13.家庭・社会との連携
―保護者の気もちの理解と社会自立に向けて―
1 子どもの人生への支援とは
2 保護者と支援チームをつくる
1)保護者への支援とは
2)保護者による最初の気づき
3)保護者と学校との連携
3 軽度発達障害のある子どもの進路相談と移行支援はどう行うか
1)進路相談について
2)軽度発達障害のある子どもの進路
3)移行支援について
4 就労と社会的自立への支援
コラム 1 疑似体験をしよう
2 LDの気づきのチェックリスト
3 心理検査WISC-III・K-ABC
4 個別の指導計画の書き方
トピック1 用語をめぐって
2 ワーキングメモリー
3 軽度発達障害の遺伝に関する最近の考え方
4 遺伝子表現型の性差
5 ADHDとアスペルガー症候群
6 国際生活機能分類(ICF)について
7 全国LD親の会の「教育から就業への移行実態調査」結果
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