子どもの言語の問題を見極めるアセスメント DLD[発達性言語症]を理解するために
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著者 田中 裕美子 編著 サイズ B5版・134頁 発行年月日 2025年9月26日 |
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子どもの言語の問題を見極めるアセスメント |
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内容
言語評価法を子どもの発達に沿い、実施の際に用いる提示内容や方法、採点や記録用紙なども含めて詳しく紹介する
「話していれば大丈夫」ではない!
本書では、言語に問題を抱える幼児から学童期の子どもを対象とする4種類の評価法を収録している。各評価法については、臨床で活用しやすいよう、目的、実施方法、記録用紙、基準値などを掲載し、理論的背景や事例もあわせて解説している。
最終章では、DLD(発達性言語症)の評価および指導に関する近年の動向を概説する。
紹介する言語評価法
・文の多様性による早期言語発達評価法(言語創発期の評価)
・ダイナミックアセスメント(基礎的言語規則習得期から学習言語習得期の評価)
・文の復唱課題(学習言語習得期の評価①)
・再生ナラティブによる言語評価(学習言語習得期の評価②)
執筆者紹介(初版第1刷)
田中 裕美子(たなか・ゆみこ)
大阪公立大学生活科学部児童学科卒業。大阪教育大学言語聴覚障害児教育学科修士課程修了。米国コロラド大学Speech Language Hearing Science学部大学院博士課程終了Ph.D(博士号)取得。米国コロラド大学Speech Language Hearing Science学部研究員、米国カンサス大学Child Language Postdoctoral研究員、国際医療福祉大学言語聴覚学科准教授、大阪芸術大学初等芸術教育学科教授を経て、現在、大阪芸術大学通信教育学部特任教授。特異的言語発達障害(SLI)、発達性言語症(DLD)、レイトトーカー、学習障害(LD)の調査・研究・執筆に加え、園や学校での教育相談を行う。日本コミュニケーション障害学会言語発達障害研究分科会代表、NPO法人どこでもことばドア代表。
遠藤 俊介(えんどう・しゅんすけ)
横浜国立大学教育学部卒業。東京福祉大学大学院児童学修了。入所施設の児童指導員として知的障害児の日常生活支援を経験後、国立障害者リハビリテーションセン ター学院言語聴覚学科にて学び、言語聴覚士となる。福祉分野で知的障害児および 発達障害児の地域生活支援に携わった後、埼玉県立小児医療センター保健発達部に勤務。日本コミュニケーション障害学会言語発達障害研究分科会所属。NPO 法人どこでもことばドア理事。現在は群馬パース大学リハビリテーション 学部言語聴覚学にて後進の育成および臨床、研究業務に従事。
伊藤 敬市(いとう・けいいち)
東京大学文学部卒業。武蔵野大学大学院人間社会研究科修了。修士(言語聴覚学)。東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程在学中。現在、武蔵野徳洲会病院リハビリテーション科で言語障害児者のリハビリテーションに従事。言語聴覚士、公認心理師、臨床発達心理士。
入山 満恵子(いりやま・まいこ)
東京学芸大学教育学部卒業。筑波大学大学院教育研究科修了。現在新潟大学教育学部特別支援教育専修において将来教員を目指す学生たちの講義を担当する傍ら、新潟県立はまぐみ小児療育センターにて言語聴覚士(非常勤)として小児言語評価を担当。日本LD学会特別支援教育士SV。
金屋 麻衣(かなや・まい)
国際医療福祉大学保健医療学部卒業。日本コミュニケーション障害学会言語発達障害研究分科会所属。NPO 法人どこでもことばドア理事。
野波 尚子(のなみ・なおこ)
早稲田大学教育学部卒、同大学院日本語教育研究科修了。日本福祉教育専門学校を経て言語聴覚士、公認心理師取得。東京医科大学病院 聴覚・人工内耳センターに在籍し、難聴児者の支援に従事。日本コミュニケーション障害学会言語発達障害研究分科会所属、NPO法人どこでもことばドア理事。
目次
はじめに
この本の構成
各記録用紙(資料)のダウンロードについて
第1章 言語創発期の評価 文の多様性による早期言語発達評価法
検査概要および記録用紙
解説
1.1 対象と目的
(1)幼児期前期の「ことばの遅れ」と言語発達障害
(2)幼児期前期の「評価法」
(3)本評価法の対象
1.2 実施手続き
(1)実施環境
(2)発話の採取
(3)記録
(4)採点
(5)判断に迷う発話について
1.3 保護者への説明と助言
コラム1 語彙の多様性による評価
第2章 基礎的言語規則習得期から学習言語習得期の評価 ダイナミックアセスメント
検査概要および記録用紙
解説
2.1 対象と目的
(1)ダイナミックアセスメント
(2)本評価の目的
2.2 実施手続き
(1)事前準備
(2)音声言語:5 枚絵ナラティブの再生課題
(3)書字言語:新奇文字の習得課題
2.3 採点および定型発達データ
(1)音声言語:5 枚絵ナラティブの採点
(2)書字言語:新奇文字課題の採点
2.4 事例への適用について
(1)言語の問題や発達障害のリスクがある年長児3 事例
(2)外国にルーツをもつ年長児2 事例
第3章 学習言語習得期の評価① 文の復唱課題
検査概要および記録用紙
解説
3.1 対象と目的
(1)日本語版「文の復唱課題」の目的
(2)日本語版「文の復唱課題」の対象
3.2 実施手続き
(1)事前準備
(2)課題構成
(3)検査用具
(4)教示法と実施条件
(5)記録と採点方法
3.3 理論的背景:文の復唱課題とは
(1)文の復唱で何がわかるのか?
(2)海外における文の復唱による言語評価
(3)日本における文の復唱の研究
3.4 「文の復唱課題」の定型発達データ
(1)調査方法
(2)調査の結果
3.5 「文の復唱課題」を実施した事例の紹介
(1)事例1:文法の誤りや不自然な表現が目立つ11 歳男児
(2)事例2:複雑な文の理解や組み立てが困難な13 歳男児
(3)事例3:短期記憶とことばの想起の困難さが強い8 歳女児
(4)考察
(5)結語
コラム2 12 点法による簡易評価
第4章 学習言語習得期の評価② 再生ナラティブによる言語評価
検査概要および記録用紙
解説
4.1 対象と目的:再生ナラティブによる評価の構成と特徴
(1)評価の目的
(2)対象となる年齢範囲
(3)特徴
(4)評価の視点
4.2 実施手続き
(1)概要
(2)定型発達児のナラティブ
4.3 理論的背景:再生ナラティブによる言語評価とは
(1)ナラティブとは
(2)英語圏でのナラティブ研究
(3)日本でのナラティブ研究
(4)日本におけるナラティブを用いた言語評価の実情
第5章 言語の問題の評価と指導に関する近年の動向
5.1 ST に求められる子どもの言語の評価
5.2 各発達期における言語の評価法とは:事例を通じて
(1)言語創発期(3 歳以下)における言語発達のつまずき:レイトトーカー
(2)基礎的言語規則習得期:3 ~ 5 歳
(3)学習言語習得期:6 歳~(音声言語、読み、学校での学習)
コラム3 DLD とは:子どもの言語の問題を理解するために
おわりに
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